愛するペットと一緒に暮らしているという人は、全人口の3割以上にのぼると言われています。
持ち家にペットと暮らしている方も多いことでしょう。
しかし、そんな持ち家を売ることになったとき、ペットを飼っている住宅は売れるのでしょうか?
この記事では、ペットを飼っている場合の不動産売却について解説します。
物件をより高く売るにはどうすればいいのかなど、ぜひ参考にしてみてください。
ずばり、売却には不利? その理由とは
端的にいえば、ペットを飼育していない物件に比べて、ペットを飼育していた物件を売るのは不利といえるでしょう。
そもそもの立地や状態によっては全く売れないか、または安くしか売れないという可能性が高くなります。
売れない理由は以下の通りです。
動物特有の臭いが取れないから
犬や猫などの動物を飼っていると、知らない間に動物特有の臭いが住居に染み付きます。
ちょっと掃除をしたくらいでは臭いは落とすことができません。
害虫の発生を危惧するため
動物を飼っていると、ノミやダニが発生しやすくなります。
すでにノミやダニが多く発生していれば、退去後もそれらの害虫は住み着いたままになるでしょう。
これらの害虫は目視では確認しにくいため、「虫が湧くかも……」という推測だけで避けられてしまうことが多くなります。
小さな子どもを育てている家庭なども、ペット飼育をしている物件は極力避けたいと考えるでしょう。
動物アレルギー等で敬遠されるから
いわずもがなですが、猫アレルギーなどの動物アレルギーがある人からすれば、ペットを飼育している物件は最低限避けたい物件となってしまいます。
ペットを飼っていた物件を高く売るには
不動産売買においてはデメリットとなるペット飼育ですが、それでもできるだけ高く売るにはどうすればいいのでしょうか。
1.ペットを飼っている人に向けて売り出す
ペットを飼っていることを秘密にして売却することはできません。
それなら、あえてペット物件として売り出すのも一つの手です。
戸建てならペットを飼っていた旨を明記したり、マンションやアパートならペット可物件として買い手を募集しましょう。
ペット可の物件は限られるため、ペットを飼っている人にとっては嬉しい物件です。
実際ペット可のアパートやマンションは人気があります。
マーケティングをきちんと行えば、ペットを飼育していたことは物件の魅力になるでしょう。
2.可能な限り売れるよう事前対策を講じる
より高く売るためには、事前に対策を講じましょう。とくに臭いについては注意が必要です。
ペットを飼育している人でも、他人の家の臭いは気になるもの。
臭いがすれば印象が悪くなり、売れるものも売れなくなってしまいます。
内見に訪れる人が嫌な思いをしないように対策しましょう。
布製品を処分する
カーテンやラグなどの布製品は動物の臭いが染み付きやすくなります。布製品を処分し、動物の臭いをできるだけ軽減させましょう。
消臭クロス等に張り替える
動物の臭いを軽減させるには、壁紙を消臭クロスにしてみるのもおすすめです。
効果は5年から10年で、生ゴミの臭いやタバコ等の臭いも消臭できると言われています。
業者にクリーニングを依頼する
物件を売りに出す前に、業者にクリーニングを依頼するのも一つの手です。
完全に消臭できないかもしれませんが、清潔な印象にすることができます。
簡単な修繕は自分で行う
壁紙が一部剥がれている、フローリングに傷があるなどの場合は、できるだけ簡単に補修しておくといいかもしれません。
傷を放置しているよりは、小綺麗に整えている家の方が印象がいいからです。
難しそうに思える修繕でも、ホームセンターで売られている木目調テープや補修パテなどを利用すれば、比較的簡単に傷などを隠すことができます。
3.内覧日はペットは不在に
内覧に来る人はペットを飼っていない人かもしれません。
また、犬や猫が苦手な人である可能性もあります。そのため、散歩に連れ出してもらったり、ペットホテルなどに預けるなどしましょう。
吠えてしまう犬の場合、落ち着いて話ができない可能性もあります。
相手に不快感を与える原因にもなるため、ペットは不在の状態で内覧するようにしてください。
全面的なリフォームなどはNG
ペットの臭いが気になる、壁紙やフローリングに傷があるからといって、全面的なリフォームは行わないようにしましょう。
全壁紙を変えたり、フローリングを張り替えたりなどすれば多大なコストがかかり、トータルで赤字となる可能性があるからです。
ペット飼育をデメリットにしないように
一般的に、ペットを飼っていることは不動産売買においてデメリットです。
しかし、ペット可物件であることを逆手に取って、メリットとして売り出したり、臭いを軽減する策を講じたりすれば、十分売ることができます。
大規模なリフォームは必要ありませんが、内見に来た人に失礼のないように、印象良くできるように、最低限の対策を講じられるといいですね。