不動産投資の目的でマンション購入を検討していても、どんな部屋を選んでいいかわからないという人は多いはずです。
今回は、不動産投資における角部屋についてご紹介していきましょう。
角部屋は一般に人気のある物件ですが、むやみに手を出せば損をする可能性もゼロではありません。
この記事では、不動産投資の観点から角部屋のメリット・デメリット・注意点を見ていきます。
一般的な角部屋に住むメリット
まずは、一般的に認識されている角部屋のメリットを知っていきましょう。住む人にとってのメリットを理解していれば、不動産投資の参考になります。
明るく換気がしやすい
四角い部屋だと想定すると、2面の壁から採光できるのが角部屋です。日当たりがよくなるため室内は明るくなり、換気もしやすくなります。
部屋干しをしたい人にとっては最適な部屋です。
騒音トラブルに遭いにくい
隣に暮らす人がいない分、騒音トラブルになりにくいメリットがあります。自分が誰かに迷惑をかけているのではないかと心配する心配も半減できそうです。
玄関前を通過する人がいない
角部屋は通路の行き止まりにあります。自分の部屋の前を通る人がいないため、音漏れ等を心配する必要もありません。
中部屋とは違う設計であることも
一番橋にある角部屋は、中部屋よりも専有面積が広いことがあります。また、設計が違うことも多く、玄関前にポーチがある、シューズクローゼットがある等、嬉しい設計であることも多いです。
玄関前は誰も通らないため、ちょっとした植木鉢や小物を置いておける物件もあります。
バルコニーやベランダも広々使える
バルコニーやベランダ付きの角部屋なら、外の空間も広々使えます。リビング側のバルコニーには花のプランターを飾ったり、寝室側のベランダには洗濯物を干したりなど、用途を分けて使うことも可能です。
角部屋に住むデメリット
角部屋を好む人も多いですが、角部屋ならなんでもいいわけではありません。角部屋であるがゆえのデメリットもあります。
冷暖房効率が悪い
中部屋よりも窓が多いため、外気の温度に影響を受けやすくなります。冷暖房効率が下がるため、光熱費はかさむと思ったほうがいいでしょう。
ただし、断熱性能の高い2000年以降のマンションであれば、デメリットにならないこともあります。物件によっても違うことを理解しておきましょう。
外部の音による影響を受けやすい
窓の外が大通りに面していたり、人通りが多い道に面している場合、外部の音に悩まされる可能性があります。駅や飲食店が近い物件の場合は、人の騒ぐ声で安眠が妨げられることもあるかもしれません。
インテリアが制限される
窓が多いことでインテリアの自由度は下がります。カーテンを準備しなければならず、出費がかさむかもしれません。また、壁がないことで家具を置きにくいなどのデメリットもあります。
テレビの置き場に困る
窓の多い物件は、テレビの置き場に困るケースが多いです。テレビは電化製品のため、高温になる直射日光が当たる場所には置くことはできません。また、日光が反射すると見えづらくなるため、窓の光が反射する角度にはテレビを置きにくいです。
ただし、これは日中にテレビを見る場合に限ります。夜間にしかテレビを見ない家庭では、あまり問題にならないかもしれません。最近は壁掛けタイプのテレビもあり、タブレット等でしか映像作品は見ないという人もいます。その場合は特にデメリットにはならないでしょう。
家賃や売値が高め
角部屋は一般的に人気物件です。そのため、家賃設定が高くなる傾向にあります。差額は数千円から1万円程度ですが、長期間暮らす予定であればあるほど、負担に感じて嫌厭する人もいるでしょう。
分譲マンションの場合は、修繕積立金や管理費が高くなることもあります。
不動産投資としての角部屋のメリット・デメリット
不動産投資をする側からの角部屋を購入するメリットは、高く貸しやすい・売りやすいという点です。初期投資である購入費用も高値になるため収支の検討は必要ですが、角部屋は人気があるため空室リスクや売れ残る心配はないでしょう。
ただし、角部屋の良さを享受できない人にとっては、角部屋もデメリットになりえます。
例えば、夜勤などが多く「昼間は寝ているだけ」という人にとっては、窓の多い部屋はマイナス面が多くなります。広いバルコニーやベランダは落下事故などのリスクをはらんでいるため、小さな乳幼児がいる家庭にとってはメリットにならない可能性もあります。
物件のエリアやターゲットとなる人物の生活を想像しながら、不動産投資する物件を検討するようにしてください。
角部屋を購入・売却する際の注意点
不動産を購入したり売却したりする際に覚えておきたい注意点があります。後悔しないためにも覚えておいてください。
きれいな部屋であることが重要
どんな角部屋でも、部屋が汚ければ借り手や買い手はつきません。賃貸や売却に出すときはきれいにするのが鉄則です。汚い物件は、それだけ値下げを求められる可能性もあります。
角部屋なのに……という物件に注意
角部屋といえば、明るい採光といい景色です。しかし、なかには「角部屋なのに景色がよくない物件」もあります。角部屋だからと安心せずに、きちんと物件を見てメリット・デメリットを把握しましょう。
また、賃貸や売却で内見に立ち会う場合は、借り手や買い手にデメリットをきちんと伝えます。頼りになる不動産屋にフォローしてもらうと、デメリットも上手に伝えられるでしょう。
角部屋は一見の価値あり!?
角部屋は明るく、開放感があるのが魅力です。日中、在宅で働いたり、家で過ごす時間が長い人にとっては、角部屋は最高な物件であることに違いありません。賃貸においても、売却においても、角部屋なら売れ残ることはまずないでしょう。
角部屋というネームバリューがあるため、間取りを見ただけで決めてしまう人もいるかもしれませんが、最終的には他の物件同様に内見をするなどして、総合的に判断してください。角部屋は一見の価値はありますが、考えなしに購入していいほど簡単な物件でないことを理解しておきましょう。