空き家

「空き家の放置は絶対ダメ!」この週末は不動産屋に相談したくなる空き家対策の話【前編】

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両親が亡くなり、生まれ育った空き家状態の実家を相続し、「どうすればいいのかな」と、一人で悩んでいませんか。結論から言うと、空き家の放置は絶対にNG。できればすぐに、お近くの不動産屋さんにでも相談してほしいと思っています。

今回は、なぜ空き家を放置してはいけないのかの理由について、空き家の売買・賃貸に詳しい「不動産お悩み相談所」の太田所長にお話をうかがいます!

これを読めばあなたもきっと、「あの、わたしの実家が空き家になって……」と、次の週末には相談に行きたくなるはずです。

空き家の放置がもたらす5つの問題

アシスタント
所長!ズバリうかがいますが、なぜ空き家の放置はいけないのでしょうか?
それには、以下のような理由があるからなんです。
老朽化で住めなくなる可能性が高い

近隣への迷惑、景観を乱すリスクがある

犯罪やトラブルに巻き込まれやすい

防災上の危険リスクが高まる

条例による指導や改善命令を受ける可能性がある

太田所長
アシスタント
これは……なんだか物騒ですね。詳しく一つひとつ教えてください!

老朽化で住めなくなる可能性が高い

まず、「空き家は老朽化が早い」ということを知ってほしいと思います。空き家は人の出入りがなくなると、換気が行われず空気が滞留し、カビや害虫が発生しやすくなります。
太田所長
アシスタント
日本の梅雨時はジメジメして、人が住んでいる家でもカビが生えますよね。換気の機会が減れば、さらに被害は大きくなりそうです。
そうなんです。湿気は木材建築の大敵。腐食の原因にもなり、建物そのものが一気に老朽化します。
太田所長
アシスタント
他に老朽化の原因はありますか?
ガス管や給水管などの配管も劣化しやすいです。長期間使用していないと、水道管もサビが発生しますし、管そのものが破損することもあります。
太田所長
アシスタント
配管の交換にはコストがかかるんですよね。
もちろんです。ただ、すぐに誰かが入居すれば、配管はそのまま使えることが多いです。しかし、ブランクがあると交換が必須と考えていいでしょうね。
太田所長
アシスタント
換気、配管、他にも老朽化を進める原因がありますか?
雨漏りによる腐敗などもあります。人が住んでいれば気づく雨漏りも、空き家では気づくことができません。すると、雨漏りが度重なり、家が腐敗したり、そこからカビが発生したりもします。
太田所長
アシスタント
考えただけでおぞましい……。
他にも、害虫や害獣の住処(すみか)となることもあります。すると、死骸や糞尿などで汚れ、人の住む家ではなくなってしまうんです。
太田所長
アシスタント
動物が住み着いてしまうと、臭いも取れそうにないですよね……。なるほど、空き家の放置、これだけの理由でもやめたほうがいいのがわかります!

近隣への迷惑、景観を乱すリスクがある

アシスタント
近隣への迷惑とは、どんなものがありますか?
さきほど触れましたが、たとえばハクビシンやネズミのような害獣が住み着いてしまうと、周辺の住宅もこれらの害獣の被害に遭いやすくなりますよね。
太田所長
アシスタント
確かに!住宅街を拠点に周辺住宅に侵入する動物もいるかもしれませんね……。
そうなんです。かつて暮らした地域での人間関係にも、悪影響が及ぶかもしれません。それだけでなく、枝が伸び放題の樹木があったり、落ち葉が門前の道路などに溜まったりすれば、周辺の景観にも悪影響を及ぼします。
太田所長

犯罪やトラブルに巻き込まれやすい

アシスタント
私の家の近くにも、枝が伸び放題の鬱蒼とした空き家があります。通るたびに「不審者が潜んでいるのではないか」などと考えて不安です。
まさに。空き家は動物だけでなく、不審者などの潜伏先になることがあります。多いのは不法投棄で、知らないうちにゴミ屋敷のようになっている空き家も見かけますよね。
太田所長
アシスタント
久々に帰った実家がゴミ屋敷になっていたら……大ショックですね。
そうでしょう。だから、とにかく空き家を放置してはいけないんです。
太田所長

防災上の危険リスクが高まる

アシスタント
ゴミが不法投棄され雑草が鬱蒼としたところに、誰かがタバコのポイ捨てなどしたら……。
火事になりますよね。しかも、日本は地震大国です。放置して腐敗した家は、震度5や震度6クラスの地震が来たらまず耐えられません。
太田所長
アシスタント
空き家の家が倒壊するだけならいいですが、避難路を塞いだり、道を歩く誰かが家の下敷きになったりしたら悲惨ですね。
本当にそうですよね。昨今は空き家が増えて、こういった災害リスクは全国的に高まっています。
太田所長

条例による指導や改善命令を受ける可能性がある

空き家を放置して小動物が住んだり、防災上のリスクが高まったりすることから、自治体から改善命令などを受けることがあります。
太田所長
アシスタント
具体的にどんな命令なんですか?
空家等対策特別措置法という法律で定められているのですが、まずは自治体が空き家の様子を調べて「これは問題があるぞ」となると「特定空家」という空家に指定されます。この特定空家に指定されると、改善のための助言、指導が入るんです。
太田所長
アシスタント
例えば「枝を切りなさい、小動物を駆除しなさい」といった感じでしょうか。
そうですね。その後、対応がないと「勧告」が入り、住宅用地特例の対象から除外されます。(これはちょっとややこしいのでまたの機会に説明します)厄介なのが「命令」です。命令をさらに無視すると、50万円以下の過料、つまり罰金が課せられるんです。
太田所長
アシスタント
おぉぉぉ……それは安くない罰金ですね。
それでも改善を行わない場合は、行政代執行となります。自治体などが、家主に代わって取り壊しなどの工事を行うことです。費用は家主の負担となるため、のちに多額の請求書が届くでしょうね。
太田所長
アシスタント
なるほど。空家の放置をし続ければ、最終的には多額の費用負担が発生する可能性もあるんですね。

まとめ

とにかく「空き家の放置はよくない」ということが、所長の話を聞いてよくわかりました。後編では、空き家の「早期相談」のメリットについて聞いていきます!

太田所長
「不動産お悩み相談所」の所長。神奈川県大和市「あかり不動産」を営むかたわら、悩めるアシスタントの質問や、お客様の相談に応じている。バイクや車の運転が好きで、お客様のご相談があれば西へ東へ、自分の運転で物件を確認にいくことも。「田舎の実家が空き家になって……」というご相談も大歓迎。 フットワーク軽くどこへでもうかがいます。

アシスタント(やの)
不動産物件を見るのが好きだが、法律や制度については勉強中! わからないことがあると相談所を訪れ、所長に教えてもらっている。難しいけど面白い空き家や賃貸のお話をnoteから発信していきます!

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