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納税額が6倍に? 実家が空き家になる前に知っておきたい固定資産税のこと

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実家の空き家を相続すると、多くの方が固定資産税に対する不安を吐露します。

今まで資産を保有していなかった人からすれば、固定資産税は未知のもの。不安になって当然です。

今回は、実家などの空き家を相続した際に注意したい固定資産税のことについて解説します。将来実家が空き家になるかもしれないすべての方、必見です。

空き家でも「固定資産税・都市計画税」の納税義務が発生

「空き家であれば固定資産税がかからない」と思っていませんか。しかし、固定資産税や都市計画税は、不動産の所有者に納税義務が発生します。つまり、その住居に実際に住んでいるかどうかは関係ないのです。

空き家を相続するということは、不動産の所有者になるということです。固定資産税や都市計画税の納税義務があることを理解しておきましょう。

固定資産税とは

固定資産税とは、土地や家屋、償却資産にかけられる税金のことです。マイホームに住んでいる場合はもちろん、ビルを相続した場合でも固定資産税の納税義務が発生します。

専門的にいうと、土地の場合は登記簿または土地補充課税台帳、家屋なら登記簿または家屋補充課税台帳、償却資産なら償却資産課税台帳に登記/登録されている所有者に納税義務が発生します。

ただし、公衆用道路や公園、学校や社会福祉施設等は非課税対象です。公民館、児童館、運動広場や火災家屋等も条例により減免の対象になります。

都市計画税とは

都市計画税は都市計画区域内にある土地と建物に課税される税金です。固定資産税とともに納税するもので、固定資産税と同じように土地や家屋等を所有している人に納税義務が発生します。

固定資産税との違いは、所有者や用途によって非課税・減免等の制度があることです。

固定資産税の計算の仕方

家屋に対する固定資産税は、所有する固定資産の評価額に標準税率1.4%をかけて算出します。

建築費用の60%が課税標準額になる場合は、建築費4,000万円の建物で、

4,000万円 ✕ 60% ✕1.4% =3万3,600円

3万3,600円が固定資産税となります。

ちなみに、大和市は1.4%、お隣の相模原市でも1.4%が標準税率ですが、自治体によって1.5%、1.6%というケースもあります。遠方の物件の固定資産税が知りたい場合には、税率の違いも考慮するといいでしょう。

固定資産税評価額とは

総務省が定めた固定資産評価基準に基づき算定する基準価格のこと。土地の場合は地価公示価格の約7割に相当し、建物は家屋の劣化等を考慮して決定されるため、建築費用の5〜7割程度を評価額とします。

評価額は3年毎に見直され、見直しによる評価額に変動があれば、固定資産税もあわせて変動します。

評価証明書の発行・納税通知書で確認も

評価額が知りたい場合には、納税通知書等で確認すると確実です。納税通知書が手元にない場合には、市町村の担当課窓口等で評価証明書を発行してもらうことで確認することもできます。

固定資産税は高くも安くもなる?

固定資産税の算定方法はありますが、条件によって高くなるケース、安くなるケースがあります。

<安くなる>新築に対する税の軽減措置

新築を建てたら、家を建てた翌年1月31日までに市町村へ申告することで軽減措置が講じられます。申請することで固定資産税を安くできる制度ですので、忘れずに手続きするようにしましょう。

<安くなる>住宅用地の特例

戸建てや集合住宅が建っている敷地の場合、土地の面積に応じて固定資産税と都市計画税が優遇されます。土地面積が200平方メートル以内の小規模住宅用地なら、固定資産税の課税標準額は1/6になり、都市計画税の課税標準額は1/3になります。

一方、200平方メートルを超える一般住宅用地の場合は、固定資産税の課税標準額が1/3になり、都市計画税の課税標準額は2/3になります。

面積 土地の種類 固定資産税の算出方法 都市計画税の算出方法
土地の面積が
200平方メートル以内
小規模住宅用地 課税標準額を1/6に圧縮 課税標準額を1/3に圧縮
土地の面積が
200平方メートルを超える
一般住宅用地 課税標準額を1/3に圧縮 課税標準額を2/3に圧縮

土地の面積が200平方メートルを超える場合、一般住宅用地となり、課税標準額を3分の1に圧縮、課税標準額を3分の2に圧縮となる。

<高くなる>最高で納税額6倍!特定空き家認定

所有する不動産が特定空き家に認定されると、最高で納税額は6倍にもなります。

この特定空き家は平成27年に施行された「空き家等対策の推進に関する特別措置法」によるもの。以下のような空き家を特定空き家と指定しています。

1.倒壊の危険性がある空き家

建物が斜めに傾く、基礎部分が腐食する、外壁が剥がれ落ちる等

2.衛生上有害な可能性がある空き家

シロアリや小動物などの害虫や害獣が発生し、ゴミが放置されている等

3.適切な管理がされていないことで景観を損なっている空き家

草木が生い茂っている、窓ガラスが割れたままになっている等

4.周辺地域の生活環境の保全の観点から放置できない空き家

伸びた枝などが道を塞いでいる、空き家への出入りが容易になっている等

上記の状況に陥っても、すぐに特定空き家となるわけではありません。自治体からの助言や指導を無視したり、勧告に対応しなかったりすることで特定空き家に認定されます。

<高くなる>被相続人の滞納

被相続人とは故人のことです。もし、亡くなった方が固定資産税を滞納していたら、その滞納した税金は、遺産を相続する相続人が納めなければいけません。

固定資産税の算定自体に影響はありませんが、故人が滞納していた場合は延滞金も一緒に請求され、結果的に高い納税額を納めなければいけない可能性があります。

もし、延滞金を含む固定資産税が支払えなければ、預金口座や不動産等が差し押さえになる可能性もあります。

「そろそろ実家を相続しそうだ……」という方は、固定資産税の支払いが滞っていないかなど、実家の親と話しておくと安心です。

固定資産税の負担を軽くするには

高い固定資産税の支払いに困ったら、以下の手段を検討してみてください。

空き家の売却・買取

手放してもいいという方は、不動産売却することも視野に入れましょう。実家を売るなんて……と、思うかもしれませんが、将来住む予定がないのであれば売ってしまうのも一つの手です。

故人が固定資産税を滞納しており、すぐにでも延滞金や固定資産税を支払いたい場合は、不動産買取を検討してみてください。不動産買取りなら1ヶ月程度で現金を得られる可能性があり、状況を前進させてくれるかもしれません。

空き家を貸し出す

将来、田舎に帰って実家に暮らしたいという場合は、貸し出すのも一つの手です。誰かに貸し出すのは抵抗があるかもしれませんが、家賃収入が得られれば固定資産税の支払い負担は軽くなります。

空き家の状態で放置しておくと、家の老朽化が進みます。誰かが暮らすことで実家の状態を良好に保存することもできますので、手放したくない場合は賃貸物件として貸し出すことも検討してみてください。

まとめ

固定資産税は1月1日の時点の所有者に納税義務が発生します。納税額は地域や物件によっても違うため、自分の実家の固定資産税がいくらくらいかかるのか、事前に調べておくと安心です。

固定資産税の負担を軽くするなら、不動産売却や不動産買取を利用するなど、手放してしまうのも一つの策。賃貸として貸し出し、家賃収入で負担を軽くする方法も悪くありません。

放置すると住宅が傷むだけでなく、特定空き家になる恐れもあります。固定資産税が最大6倍になることもあるため、放置するのは絶対にやめましょう。

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